エドワード・G.ロビンソンズ パイプブレンド
アメリカで古くから売られている所謂オールドスクールの1つ。
写真の人物はアメリカの古いギャング映画のスター、エドワード・G.ロビンソンである。アメリカのギャングというと、葉巻の印象が強いせいか、この写真の彼はギャングというよりも弁護士か新聞記者のように見える。
この人は実際に、プライベートでパイプを愛用していたという事だから、このブレンドの監修に当たったという話も、まんざら宣伝文句ばかりではないのだろう。
長い間、この煙草の存在こそ知ってはいたものの試してみようとはしていなかったのだが、最近になって、急に気になり出し買ってみた。
ラタキアを少量加えた着香煙草という事で、気に入れば常喫も視野に入れての購入だったのだが、実際に手に取ってみると、正直、ちょっとこれは違うかな(笑)?と、まだパイプに詰める前に感じた。
第一印象として、軽い。缶の側面も紙で出来ていて軽いのだが、葉そのものが軽い。乾燥しているというよりも、風化しているという感じで、これと同じような印象を以前、「ディスティングィッシュト・ジェントルマン」という煙草を購入した時に感じた。やはり缶の底だけが金属で、側面は紙の筒であった。そしてリーフが不思議と軽い。まるでシガレット用に加工された葉のようで、パサパサしていた。
しかし、このディスティングィッシュト・ジェントルマンは当時大変に気に入ってしまって、8オンス缶を二度も買って毎日大量に吸っていたのを記憶している。
しかしこれが不思議な事に、実に短期間のマイブームで、今となっては二度と吸ってみたいと思わないのだ。実に不思議な事だ。この現象を分析して思い当る事はたったひとつしかない。
ブレンド自体は気に入ったが、原料葉自体に底力を感じられなかったのだ。
このエドワード・G.ロビンソンのブレンドにも、同じような、葉自体が持つ本来の、煙草としての品質に、疑いを持たざるを得ない。
開封時のティン・ノートは、フローラルなフレーバー。ラタキアは全く感じられない。全くの着香系である。ただし、ベタついたブラキャベの印象は皆無で、さりとてヴァージニアの粘っこさも無い。やはりアメリカンなオールドスクールなのだろう。
着火後の印象。
ムムムッ? ウマい!
甘じょっぱい梅の香りが口の中一杯に広がって来た。ちょっと未体験ゾーンである。
ごくごく少量のラタキアが、ともすれば乙女チックになりがちなセンチメンタリズムに、僅かながらダンディズムを加えている感じだ。
さんま、さんま
さんま苦いか塩つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせて
さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
あはれ
げにそは問はまほしくをかし。
何処かしら、仲間に裏切られ女にも去られ、一人死に行く暗黒街の黒幕…
そんな物語を偲ばせる、EGRの、センチメンタルでダンディな、香りであった。
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