えっ!?そんなもんなの??
昨日7月2日(日)は年に一度の大煙会。
待ちに待ったという程ではないけれど、パイプスモーカーの私にとっては、新しい刺激の場所として、仲間との交流の場所として、毎年楽しみにしている祭典である。
講習会に試喫に、そしてオークション。
このオークションが私としては毎年大いに楽しみなのである。オークショニアのもんぺ氏とは関東パイプオフ会に初めて参加しお会いしてから早8年越しのお付き合いになるが、彼の進行が実に軽妙で気持ちが良い。
ここ数年はオークションに参加するよりも彼のMCが楽しくて、毎年ずっとスマホを掲げ、動画におさめてしまうほどのファンである。
私にとってはオークションそのものが楽しみであって、出品された品々が特別に欲しいと思う品物である事は、あまり無い。
それでも、出品されたパイプがブルドッグだった場合、未だに一瞬「ピクッ」としてしまう(笑)。今回出品されていたブルドッグは2本、ダンヒルの新しいヤツと、今は亡き「ぱいぷ堂」のハウスパイプ。
ぱいぷ堂、ご存知だろうか? 10年ほど前に閉店してしまった兵庫県のパイプ専門店である。リー・フォン・エリックなんかを日本に紹介したお店と言っても過言じゃないだろう。エポックメイキングなお店だった。そのぱいぷ堂のハウスパイプ第一弾が「ブルドッグ」。
当時の価格は1万円弱の売値だったと思う。ベテラン・スモーカーも呻る程、その喫味が素晴らしいという評判で、今や幻の、伝説の、パイプなわけである。
オークション終盤でこのブルドッグ2本がかけられた。ダンヒルはまあ、新しいとはいえダンヒルですから、入札は吊り上がって1万円超えは順当(みんなダンヒルホント好きだよねぇ~)。ちょっと調子がついたらユーズドでも青天井の可能性がある。実際、周りの反応で値踏みした結果、高い買い物をする場合もありうる。落札は自己責任だし、入札者が価値を決めるものだ。「ああ、あれをそんなに高く買うのか」と内心思っていたとしても決してそんな事は言ってはならない。暗黙のご法度だ。それに一般の人からすれば、そもそも煙草を詰めて吸うだけの木の塊である。高いも安いも無い。
さて、この「ぱいぷ堂」ブルの番が来て、開始値は2千5百円。思わず「3千円!」と声を出してしまった私。最初に言ったが、どうしても欲しかったわけではない。絶対に落札出来ない価格だと思っていたからである。逆を言えば3千円で落札できたら奇跡だとすら感じていた。販売当時でさえ1万円はする。ましてやもう何処を探してもこんな新品同様のコンディションでは売っていない代物だ。このパイプは旨いので結構なコレクターが使い倒してしまうのだ。これよりもかなり汚いカーボンだらけの物を、以前ネットオークションで見た。チェックをしていたら、結局100ドル超えで落札されていた。
ところがである! 私の3千円の後が続かない!!(笑)
えっ??? ってなった。
ヤヴァイ! 落札してしまったら女房に叱られるっ!!(笑)
皆、知らないだけなのか、ハイグレーダーを気取っているのか、オークション終盤だから、買う人は皆、資金を使い果たしてしまったのか、この魅力的なブルドッグが3千円だと???
と、、、いうわけで、今手元にある。
勿論、女房には内緒だ。彼女は常識的な経済観念の持ち主なので、たかだか3千円とは考えてくれないのだ。何年も同じTシャツを着ていて、ユニクロでシャツ一枚買おうとしない私を責めるだろう。「3千円使うなら、パイプよりも服(生活必需品)を買え!」と。
しかし、いつかはバレるだろう。この日記を見るかも知れない。その時の為に色々とここに言い訳けを書いておこう。
これは単なるファクトリーパイプでは断じてない! シェイプは決まっているが、レッキとしたハンドメイドパイプなのだ。
何と言っても作家はあの「ラスムッセン」だ。、、た、確かにポール・ラスムッセンではないが、ラスムッセンはラスムッセンだ。ヴァレンチノにも色々あるだろう。それと同じだ。聞いた事あるだろうラスムッセン。まあ、聞いたことのある方のラスムッセンじゃないけど、、、。
頂点より下方に引かれたこの二筋の溝の美しさよ。このシェイプはこの作家のシグネチャーともなっている完成されたフォルムなのだ。
それに、それにだな、、、
何と、マウスピースはエボナイトじゃなくてアクリルなんだぞ。
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